前回はコマンド入力のちょっと深い操作を学びました。周りに知らない人がいたら、少しは自慢できるぐらいになっているのではないでしょうか。今回は、ターミナルソフトから、直接ファイルを作成、編集する、vi(ぶいあい)エディタを学んでいきましょう。これを使いこなすことができれば、お!コイツできるな!と思われますよ。
まずは、ターミナルソフトでサーバにログインした状態から、viエディタで、「test.txt」を作成してみましょう。
viエディタを起動する時は、
[crayon]
vi “ファイル名”
[/crayon]
と指定します。では、実際に、viエディタを起動してみます。
[crayon]
[localadm@test ~]$ vi test.txt
~
~
~
“test.txt” [New File]
[/crayon]
このような画面がターミナルソフト全体に表示されましたね。
これが、viエディタの画面です。
viエディタには、2つのモードがあります。
1.コマンドモード:ファイルの保存、コピー&ペースト、viエディタを終了などを行うモードです。
2.挿入モード:ファイルに文字を挿入、変更、削除をするモードです。
コマンドモードから、挿入モードに切り替える方法は、幾つかありますが、まずはカーソルの左から入力開始する「i」を入力して、挿入モードにしてみましょう。
[crayon]
~
~
~
— INSERT —
[/crayon]
画面の下に、「INSERT」と表示されましたね。これが、挿入モードに切り替わった状態です。
では、「hello world」と入力してみてください。
[crayon]
hello world
~
~
— INSERT —
[/crayon]
いま入力した文字をテキストファイルとして、保存してみましょう。
挿入モードから、コマンドモードに切り替えをする「Escキー」を押します。
「INSERT」の文字が消えましたね。これがコマンドモードの状態です。
コマンドモードに戻ると、矢印キー(←、→)で、左右に移動することができます。
では、次に、「hello world」の間に、「my」を追加してみましょう。
コマンドモードの状態で、「world」の「w」の箇所まで、カーソルを移動します。
ここで、挿入モードの「i」を入力し、「my 」を入力します。
[crayon]
hello my world
~
~
— INSERT —
[/crayon]
追加できましたね。
もし、ここで間違った文字を入力してしまった場合、一度「Escキー」を入力して、コマンドモードに切り替えて、一文字削除する「x」を入力します。その後にもう一度、挿入モード「i」を入力して追加することができます。
では、保存をしてみましょう。「:w」を入力します。
[crayon]
hello world
~
~
“test.txt” [New] 1L, 12C written
[/crayon]
これで、「test.txt」ファイルが新規に作成され、保存されました。
次に、viエディタを終了してみましょう。
いまのコマンドモードの状態で、終了する「:q」を入力します。
そうすると、viエディタが終了し、コマンドラインの画面に戻ります。
[crayon]
[localadm@test ~]$ vi test.txt
[localadm@test ~]$
[/crayon]
ファイルが、作成されているか確認をしてみます。
[crayon]
[localadm@test ~]$ cat test.txt
hello my world
[localadm@test ~]$
[/crayon]
入力したとおりにファイルが、作成されていますね。
これが一連のファイルの作成、入力、編集、保存の手順です。
いつもWindowsのメモ帳に慣れている人にとっては、とっつきにくいかもしれませんが、一度覚えてしまえば、全ての作業をキーボードだけでできてしまう、カッコいいエディタなんですよ!是非、覚えてみてください!
今回のviエディタ操作を復習してみましょう:
- ・viエディタには、以下の2つのモードがある
1.コマンドモード:ファイルの保存、コピー&ペースト、viエディタを終了などをするモード
2.挿入モード:ファイルに文字を挿入、変更、削除をするモード - ・「vi “ファイル名”」
viエディタでファイルを開く - ・「i」
挿入モードに変更する。カーソルの左から入力を開始する - ・「Escキー」
コマンドモードに切り替え - ・「←」「→」
コマンドモード上で左右カーソル移動 - ・「↑」「↓」
コマンドモード上で上下にカーソル移動 - ・「:w」
ファイルの保存 - ・「:q」
viエディタの終了
これ以外にも、色んな編集方法がありますので、その一部をご紹介します。
これを全て使いこなせたら、もうアナタは、viマスターです!
- 1.起動編
- ・「vi +n “ファイル名”」
n行目から表示する - ・「vi + “ファイル名”」
最後の行から表示する
- 2.挿入モード編
- ・「a」
カーソルの右から入力開始 - ・「A」
行末から入力開始 - ・「I」
行頭から入力開始 - ・「o」
現在の行の下に1行挿入し、その行頭から入力開始 - ・「O」
現在の行の上に1行挿入し、その行頭から入力開始
- 3.コマンドモード編
- ・「X」
カーソルの左の文字を1文字削除 - ・「dd」
現在の行を削除(バッファにコピーされます) - ・「ndd」
n行を指定して削除 - ・「:行1, 行2 d」
行1 から行2 を削除 - ・「H」
画面の最上行に移動 - ・「M」
画面の中央行に移動 - ・「L」
画面の最下行に移動 - ・「G」
ファイルの最終行に移動 - ・「nG」
ファイルのn行目に移動 - ・「0」
行の頭へ移動 - ・「$」
行の最後へ移動 - ・「Ctrl + F」
1ページ下へ移動 - ・「Ctrl + B」
1ページ上へ移動 - ・「Ctrl + D」
半ページ下へ移動 - ・「Ctrl + U」
半ページ上へ移動 - ・「:wq」
ファイルを保存して、viエディタの終了 - ・「/”文字列”」
“文字列”を検索 - ・「?”文字列”」
“文字列”を検索(逆方向) - ・「n」
順方向へ検索 - ・「N」
逆方向へ検索 - ・「r」
カーソル上の1文字を他の1文字に置換 - ・「R」
カーソル上の文字からEscが押されるまでの文字列を置換 - ・「s」
カーソルのある1文字を他の文字列で置換 - ・「S」
現在の行を他の文字列で置換 - ・「cw」
カーソル位置からこの語の最後までを置換 - ・「cf “文字列”」
カーソル位置から指定した”文字列”までを置換 - ・「C」
カーソル位置から行の最後までを置換 - ・「:%s/置換え前/置換え後」
置換え前の文字列を、置換え後の文字列で置換
もっとも近くにある文字列一つに対してのみ実行 - ・「:%s/置換え前/置換え後/g」
ファイルの中すべての文字列に対して、置換えを行う - ・「yy」
現在の行をバッファにコピー - ・「nyy」
n行分をバッファにコピー - ・「yw」
単語をバッファにコピー - ・「p」
バッファ内のテキストを挿入
文字列と単語はカーソルの右に、行は現在の行の下に挿入される - ・「P」
バッファ内のテキストを挿入
挿入位置はpの逆。文字列、単語はカーソルの左に、行は現在の行の上に挿入される - ・「u」
直前の操作を取りやめる - ・「U」
行全体の操作を取りやめる - ・「.」
直前の操作の繰り返し - ・「:n」
複数個のファイル編集時、次のファイルを編集対象とする - ・「:e#」
一つ前の編集ファイルに戻る - ・「:set number」
行番号を表示する - ・「:set no number」
行番号の表示をやめる
では、また次回!
(本コーナーは月二回連載です。次回は07/07の七夕の日に掲載予定です)
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